社長・溝畑宏の天国と地獄 ~大分トリニータの15年

社長・溝畑宏の天国と地獄 ~大分トリニータの15年

社長・溝畑宏の天国と地獄 ~大分トリニータの15年

本書はJリーグクラブの一つである「大分トリニータ」を舞台にした元社長・溝畑宏氏の足跡と、その背後にある歴史を記した作品である。

2008年にナビスコカップ制覇した大分トリニータが、翌年に同コンペティションを制した指揮官や戦力を維持したまま未曾有の不振に陥り、降格が決定してしまう。
降格の決定から加速度的に露見した財務問題、そして社長である溝畑氏の辞任(事実上の解任)から、まるで解任を待っていたかの様に進展したビッグアイのネーミングライツを目の当たりにし、個人的に「何か裏があるのではないか」と考えてたのだが、本書を読み進めるに辺り、脳裏に漠としてかかっていたモヤが晴れて行った。

綿密で長期に渡る取材と、簡潔な文章により時を忘れて読み進める事が出来た。
しかし、何点か出自不明なコメントや情報があるので、差し引いて読むべきであるとも思う。

争うは本意ならねど ドーピング冤罪を晴らした我那覇和樹と彼を支えた人々の美らゴール

争うは本意ならねど ドーピング冤罪を晴らした我那覇和樹と彼を支えた人々の美らゴール

現在FC琉球でプレーしている元日本代表の我那覇和樹選手が巻き込まれたドーピング「冤罪」事件に関するノンフィクション。
当時、川崎フロンターレに所属していた我那覇選手が体調不良の為にドクターから点滴治療を施された際に、スポーツ誌に「にんにく注射」との誤った報道をなされ、それを鵜呑みにしたJリーグから処分を受ける所から、如何に彼の無罪が証明されるかを描いている。

著者の木村元彦氏は「取材をしていき、本件が所謂『権力闘争』だった場合は執筆を辞める」との戒を自身に課していたそうだ。
しかし、本書を読み進めると我那覇選手を始め、彼の潔白を証明しようとしたJリーグのチームドクター連絡会やサポーターがこの係争によって得られる物等何も無い事が理解出来る。
全ての動機は無実の罪で罰せられた選手を守るというチームドクターやサポーターの義憤、そして「自分と同じ苦しみを他の選手にさせる訳にはいかない」という我那覇選手の優しさ故だと思われる。

Jリーグのサポーターには是非読んでもらいたい。
自分の愛するクラブに所属する選手達が同じ様な窮地に立たされた時、無私の愛情によってその選手を信頼し、支え続ける事が出来るだろうか。
俺は、「サポーター」とはそういう事が出来る存在の事を言うのだと思う。

FC東京の移籍動向

IN
丸山裕市(→明治大学 ルーキー)
林容平(→中央大学 ルーキー)
チャン・ヒョンス(→延世大学 ルーキー)
幸野志有人(→大分トリニータ 期限付き移籍より復帰)
重松健太郎(→アビスパ福岡 期限付き移籍より復帰)
大竹洋平(→セレッソ大阪 期限付き移籍より復帰)
渡邉千真(→横浜Fマリノスより完全移籍)
長谷川アーリアジャスール(→横浜Fマリノスより完全移籍)
加賀健一(→ジュビロ磐田より完全移籍)

OUT
高松大樹(→大分トリニータ 期限満了)
松下年宏(→ベガルタ仙台 完全移籍)
ジェイド・ノース(→コンサドーレ札幌 完全移籍)
柳楽智和(→ガイナーレ鳥取 完全移籍)
鈴木達也(→徳島ヴォルティス 完全移籍)
坂田大輔(→アビスパ福岡 完全移籍)
永里源気(→ヴァンフォーレ甲府 期限満了)
平出涼(→カターレ富山 期限付き移籍 期間延長)
森村昂太(→ギラヴァンツ北九州 完全移籍)
上里一将(→コンサドーレ札幌 期限満了)
阿部巧(→横浜FC 期限付き移籍

最大の懸案事項である今野の吹田への移籍は現在未発表となっています。ただ、J1で実績のある加賀の獲得に成功した事でダメージは最小限に食い止める事が出来そうです。
この移籍劇から見る来季の前線の構成について。

FC東京には「ホール・プレイヤー」、つまり相手の中盤とディフェンスラインの間、近年では「バイタルエリア」「1.5列目」と言う場所で最もその能力を活かせる選手が二名います。
一人はルーカス・セヴェリーノ。もう一人は平山相太です。
二人に共通するのは圧倒的なボールキープ力。ルーカスは早さ、強さ、技術、体躯をバランス良く備えたプレーヤーで、G大阪で中盤としてプレーした経験から以前在籍していた時よりも、相手をブロックしたり、逆に力を抜いて相手と入れ替わったりする「体の使い方」が非常に巧い。
平山について一々説明するのもアレなんですが、彼の持ち味は190cmを超える体格と足元の技術。あの体格でヘッダーでのシュートが苦手なのに、何故かフリックオンで味方に落とすヘディングの精度は非常に高いという謎な特徴も持っています。平山は印象で誤解されがちですが、城福監督の下で非常に守備の意識が高いプレーヤーになりました。
190を超える身長を持つ選手が、90分を通して相手DFにプレッシャーを掛け続けられるという事は本来ならもっと評価されても良い特徴です。あと、意外とスルーパスも巧かったりします。

ルーカスは元々1.5列目が適正である事は広く知られています。本人も「2トップのセカンドストライカーが本職である」という事を常に発言しています。
対して平山は、常に最前線でのプレーを要求されて来ました。彼は自身のその身長から、プレースタイルを誤解されている選手の一人だと思っています。彼はヤンカーやコラーの様な選手では無い。どちらかと言うと、本田圭祐に近いです。
1.5列目に構え、バイタルエリアにおいてフィジカルと体躯で強引にボールをキープして前を向く。そんな役割が最も適任であって、ロングボールを放り込まれるよりも、実は足元にボールを送られた方がその力を最大化出来る。


彼らの力を最大化する為には、彼らのプレーエリア、スペースを広げやる事が必要だと思います。
要するにディフェンスラインを押し下げられる選手を相方にしてやる事です。
相手のディフェンスラインをFWが押し下げる為には、
1.フリーランニングで相手の裏を取る(羽生、重松)
2.サイドに流れてサイドバックとの連携から相手のディフェンスラインを崩す(羽生、重松)
3.ドリブルを仕掛けて相手を後退させる(セザー、重松)
4.ゴール前でフリーにさせてはいけない選手を最前線に残す(千真、セザー)

赤嶺を使いこなせなかった東京に果たして千真を使いこなせるのか?とか、組織的なプレッシングが出来ないチーム内得点王のセザーは干されるんじゃないか?とか不安はありますが、こういう妄想をしていると面白いです。

俺はルーカスor平山と達也が一番相性良いと思ってたんですよね。
達也はチェイスもサボらないし、1、2がこなせる選手で、スピードもあるから。
ただ、重松とはプレースタイルがやや似ているので二者択一になる事も分かってた。重松が復帰するならば、生え抜きの重松が優先されるのではないか?という想定もあったけど、残って欲しい選手だったなあ。

徳島でも頑張って。

炎上

ブログやツイッターを炎上させてみたいんですが、どうしてもそれっぽい文章が書けなくて困っている。
何か、炎上する人って「息するのって楽しいなチクショー!」的な文章を書くじゃないですか。そういう文章を模倣はしてみるんですけど、どうも白々しさが漂ってしまう。

俺、思うんですけど、人って自分が思ってる程不幸でも幸せでも無い様な気がするんですよね。
「幸せになる」という事であったり「不幸を解決する」という本質的な事よりも、「他人に『自分はこんなに幸せ/不幸なんだ!』と思わせる事」ばかりに本気で力を注いでる様な凄い楽天家な人じゃないとそういうポジティブなバイブス溢れる文章は書けないと思うのよね。

模倣は模倣でしかない。オリジナルのアホを超える事は出来ないんや・・・。

天皇杯決勝 京都サンガ2-4FC東京

久保を見ているとプロレスラー村上和成の若かりし頃を思い出します。
そんな顔が既にFWの久保くん、高橋のマークを振り切って得点。宮良と言い、久保君と良い、京都の未来は明るいですね。

ともあれ天皇杯優勝。ACL出場権獲得。
個人的に、来季の目標設定はあくまで「残留」であり、ACLはエクストララウンドだと思ってます。
今野の吹田への移籍が濃厚である事と、監督の交代がある事によってチームを再構築しなければならないプロセスがあって、柏の様にネルシーニョが一年半かけてJ1で戦える様に鍛え抜いたチームとは状況が異なる訳です。

東京のフロントやサポーターにはそういう目線で、忍耐を持って新監督を見つめて欲しいなと。
ACLナビスコを捨てろとは言わないけど、「選択と集中」を施す必要はある。
その「集中」の第一目標は「リーグ戦」であるという事です。

天皇杯 準々決勝 FC東京1-0浦和レッズ

苦節七年やっと勝ちました。
最後に浦和に勝った年に生まれた子供がもう小学校1年生ですよ。

フィンケさんがいた時が近年の浦和で一番身のあるサッカーをしてた気がするのに、何で切っちゃったんだろうなー。